--- title: アクセシビリティとは? slug: Learn/Accessibility/What_is_accessibility tags: - AT - Accessibility - Article - Beginner - CSS - CodingScripting - HTML - JavaScript - Learn - Tools - Users - assistive technology - keyboard - screan reader - screenreader translation_of: Learn/Accessibility/What_is_accessibility ---
この記事では実際アクセシビリティとは何かについてよく観察するモジュールから開始します — これには考慮が必要な人のグループや、いろいろな人がウェブとやり取りするのになぜ、どんなツールを使うのかや、アクセシビリティをウェブ開発のワークフローに取り組む方法が含まれます。
前提知識: |
基本的なコンピューターの知識、HTML と CSS に関する基本的な理解 |
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学習目標: | アクセシビリティとは何か、そしてそれがウェブ開発者としてのあなたにどう関わってくるかを含め、アクセシビリティに詳しくなる |
アクセシビリティというのはあなたのウェブサイトを可能な限り多くの人に利用してもらうようにすることです。かつては我々はアクセシビリティのことをハンディキャップを持つ人々のためのものだと考えていましたが、現在はモバイルデバイスや遅いネットワークを利用している人々のためのものでもあると考えられています。
アクセシビリティを、能力や環境にかかわらず全員を同一に扱い、同じ機会を与えることと考えることもあります。車椅子に乗っているために物理的な建物から誰かを除外するのは正しくないのと同様に(昨今一般的に公的な建物では、車椅子のスロープやエレベーターを備えています)、視覚障碍があるためにウェブサイトから特定のユーザーを除外するのも正しくありません。我々はみんな異なっていて、しかしみんな人間であり、ゆえに同じ人権を持っています。
アクセシビリティは正しい行為です。アクセシブルなサイトを提供することは、いくつかの国では法律の一部でもあり、そうしなければサービスを利用したり、製品を買ったりすることなどができなかったであろう、いくつかの重要な市場を開拓することができます。
アクセシブルなサイトを構築するのは、すべての人の利益になります:
障碍のある人は障碍のない人と同じくらい多様であり、よってその障碍も同じくらい多様です。ここでの重要な教訓は、あなたがコンピューターの向こうでウェブをどのように使うかを考え、他の人がどのように使っているかを学習し始めることです — あなたはユーザーとは違います。考慮すべき障碍の主な種類を、ウェブコンテンツにアクセスするために使う特別なツール(支援技術、assistive technology や AT として知られるもの)とともに以下に説明します。
注: 世界保健機構(WHO)の障碍と健康(英語)の報告によると、「10億人以上の人(世界人口の約15%)が何らかの障碍を持っています」し、「1億~1億9000万人の大人に目立った機能障碍があります」
視覚障碍者には全盲の人や、視覚が低レベルな人、色盲の人などが含まれます。これらの多くはスクリーン拡大鏡 (物理的な拡大鏡とソフトウェアズーム機能のいずれか — 大半のブラウザーと OS には今日ズーム機能があります) を使い、スクリーンリーダー、つまりデジタルテキストを読み上げるソフトウェアを使う人もいます。スクリーンリーダーの例はこれらです:
スクリーンリーダーに精通するのは良い考えです; スクリーンリーダーをセットアップして試してみて、その動作方法を理解するべきです。 クロスブラウザーテストのスクリーンリーダーのガイド を見ると詳しい使い方がわかります。下記の動画も、その体験がどのようなものかの簡単な例です。
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統計では、WHO は「世界中で 2億8500万人が視覚障碍者で、うち 3900万人が全盲で 2億4600万人がロービジョンです」と見積もっています(視覚障碍と盲目(英語)を参照)。これは単にサイトが適切にコーディングされていないために逃すユーザーとしては多くて重要です — 米国の人口とほぼ同じ大きさです。
耳の障碍者や、ろう者とも知られて、このグループの人には聞こえにくい人と全く聞こえない人の両方がいます。聴覚障碍者は AT(聴覚、発声能力、発話能力、言語に障碍のある人のための補助装置(英語)を参照)を使いますが、コンピューターやウェブに特化した特別な AT はありません。
しかしながら、単純なテキストトランスクリプトから、動画と一緒に表示できるテキストトラック(すなわちキャプション)まで、彼らが音声コンテンツに代わって読むことができるテキストを提供するために留意すべき特定のテクニックがあります。後の記事で詳しく扱います。
聴覚障碍者もまた重要なユーザー基盤を代表しています — 「世界中で 4億6,600万人が日常生活に支障を来すほどの聴覚障害を持っています」と WHO はろうと聴覚障碍(英語)で報告しています。
これらの人々は、(四肢の喪失や麻痺のような)純粋に肉体的な問題や、四肢の衰弱や制御不能につながる神経学的障碍や遺伝子疾患を伴う可能性がある、運動に関する障碍を持っています。マウスを使うのに必要な正確な手の動きが難しい人もいれば、もっと深刻な影響を受けて、コンピューターと対話するためにヘッドポインタ(英語)を使う必要があるところまで著しく麻痺している人もいます。
この種の障碍は、特定のトラウマや状態ではなく、老年期の結果であることもあります。それに、ハードウェアの制限から生じることもあります — 一部のユーザーはマウスを持っていないかもしれません。
これが通常ウェブ開発作業に影響するのは、コントロールがキーボードからアクセス可能であることという要件です — このモジュールの後の記事でキーボード・アクセシビリティを扱いますが、どのようにやるかを見るためにキーボードだけを使っていくつかのウェブサイトを試してみることは良い考えです。例えば、Tab キーを使ってウェブフォームのさまざまなコントロール間を移動できますか? キーボードコントロールの詳細については、クロスブラウザーテストのネイティブなキーボード・アクセシビリティを使うのセクションを参照してください。
統計では、有意な数の人が運動障碍を持っています。米国疾病管理予防センターの障碍と機能 (施設に入らない 18 歳以上の大人) (英語)の報告によると、米国では "肉体的な機能障碍のある大人の割合は、16.1%" です。
認知障碍者とは最も広い範囲の障碍をいい、最も限定された能力をもつ知的障碍者からわれわれがみな加齢とともに考えたり記憶したりが困難になることまでがあります。この範囲には 鬱病(英語)や 統合失調症(英語)といった精神疾患のほか、ディスクレシア(英語)やADHD(注意欠陥多動性障碍)(英語)のような学習障害も含みます。
理解と集中の困難、自閉症スペクトラム(英語)の人々に、統合失調症(英語)を有する人々、および他の多くの障碍を指します。このような障碍は、記憶、問題解決、理解、注意などの問題により、日常生活の多くの部分に影響を及ぼします。重要なこととして、認知障碍の臨床的な定義が広がっていても、そうした障碍をもつ人には共通の機能不全があります。それにはコンテンツを理解し難いこと、タスクを完了する方法を記憶すること、一貫性のないウェブページレイアウトによって混乱することがあります。
認知障碍者へのアクセシビリティの良い基本事項は、次のものです:
よくあるアクセシビリティ神話は、アクセシビリティはプロジェクトに実装するための高価な「余分な追加」であるということです。この神話は、実際には次のいずれかの場合に当てはまります。
ただし、プロジェクトの開始時からアクセシビリティを検討している場合は、ほとんどのコンテンツをアクセス可能にするためのコストはごくわずかなはずです。
プロジェクトを計画するときは、他の重要な対象観客セグメント(対象とするデスクトップやモバイルのブラウザーなど)のテストと同様に、アクセシビリティのテストをテスト体制に組み入れます。早期に頻繁にテストし、理想的にはプログラムで検出可能な欠けている機能(画像の代替テキストの欠落、リンクテキストの不良のような — 要素の関係とコンテキストを参照)を検出するための自動テストの実行し、より複雑なサイト機能が障碍のあるユーザーのグループに対してどの程度うまく機能するかを確認するために、それらのグループでいくつかのテストを行います。例えば、
コンテンツをアクセス可能にするための作業が必要なコンテンツの潜在的な問題領域をメモしておくことができ、またそうすべきで、徹底的にテストしていることを確認し、解決策や代替案について考えます。次の記事で見るように、テキストコンテンツは簡単ですが、マルチメディアコンテンツや、最先端の 3D グラフィックはどうでしょうか? あなたはプロジェクトの予算を見て、現実的にそのようなコンテンツをアクセス可能にするために利用可能などんな解決策があるかついて考えるべきです。あなたはマルチメディアコンテンツすべてを転記するために支払うことができます。これは高価になることがありますが、行うことができます。
現実的にもなりましょう。「100% のアクセシビリティ」は達成不可能な理想です — あなたは常にある種の最先端のケースに出くわすことになり、その結果特定のユーザーが特定のコンテンツを使いにくいと感じることになります — しかしできる限りはするべきです。WebGL を使用して作成した最先端の 3D 円グラフのグラフィックを含めることを計画している場合は、データのアクセス可能な代替表現としてデータ表を含めることができます。あるいは、表だけを含めて 3D 円グラフを取り除くことをお勧めします — 表には誰でもアクセスでき、コード作成が早く、CPU 使用率が低く、保守が簡単です。
これに反して、興味深い 3D アートを展示したギャラリーのウェブサイトで作業している場合、それが完全に視覚的な媒体であることを考えると、すべてのアートが視覚障碍者にとって完全にアクセス可能であることを期待するのは不合理でしょう。
あなたがアクセシビリティに関心があり、考えていることを示すために、あなたのサイトに、アクセシビリティに向けた方針と、サイトをアクセス可能にするためにどのようなステップを踏んだかを詳しく記載した、アクセシビリティに関する声明を発表してください。あなたのサイトにアクセシビリティの問題があると誰かが文句を言ってきたら、彼らと対話を始め、共感し、そして問題を解決するために合理的なステップを踏みます。
注: よくあるアクセシビリティの問題を扱うの記事では、より詳細にテストするべきであるアクセシビリティの詳細について説明しています。
要約すると、
アクセシビリティテストの基礎となる多数のチェックリストと一連のガイドラインがあります。これは、一見すると圧倒的に思われるかもしれません。アドバイスとしては、あなたが注意を払う必要がある基本的な分野に精通すること、そしてあなたにとって最も関連性のあるガイドラインの高いレベルの構造を理解することです。
そのため、WCAG は一連のガイドラインですが、あなたの国ではおそらくウェブアクセシビリティ、または少なくとも公的に利用可能なサービスのアクセシビリティ(ウェブサイト、テレビ、物理的な空間などを含む)を規制する法律があるでしょう。あなたの法律が何であるかを調べることは良い考えです。あなたのコンテンツがアクセス可能であることを確認しようと努力せずに、障碍を持つ人々が訴えた場合、法律な責任を負うこともあります。
これは深刻に思えますが、実際には、上で概説したように、アクセシビリティをウェブ開発の最優先事項として考慮する必要があります。疑問がある場合は、資格のある弁護士に相談してください。私たちは弁護士ではないので、これ以上のアドバイスは提供しません。
ウェブブラウザーは、支援技術(AT)に役立つ情報を公開する(基礎となる OS によって提供される)特別なアクセシビリティ API を利用します — AT は大抵は意味論的情報を利用する傾向があるので、この情報にはスタイル情報や JavaScript のようなものを含みません。この情報は、アクセシビリティツリーと呼ばれる情報のツリーで構成されています。
次のように、OS が異なれば、利用可能なアクセシビリティ API も異なります。
ウェブアプリにおいて HTML 要素によって提供されるネイティブな意味論的情報が足りない場合は、あなたは WAI-ARIA の仕様(英語)の機能でそれを補うことができます。これにより、アクセシビリティツリーに意味論的情報が追加され、アクセシビリティが向上します。WAI-ARIA の基本の記事で WAI-ARIA についてもっと多くを学ぶことができます。
この記事では高いレベルでアクセシビリティの概要を説明し、それが重要である理由と、ワークフローに取り込む方法を見てきました。サイトをアクセシブルにするための実装の詳細について学ぶことを渇望する人もいるでしょう。それでは次の記事では、HTML がアクセシビリティの良い基礎である理由を見ていきます。
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