--- title: MDN の慣習と定義 slug: MDN/Guidelines/Conventions_definitions tags: - MDN - MDN Meta - ガイド - ガイドライン - ドキュメント translation_of: MDN/Guidelines/Conventions_definitions ---
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この記事では MDN で使用されている慣習や定義、特に文書化する際に人によっては忘れがちなものを紹介します。

定義

非推奨と廃止

非推奨廃止は技術や仕様書によく使われている言葉ですが、どのような意味でしょうか?

非推奨 (Deprecated)
MDN において非推奨 の用語は、もう推奨されないものの、まだ実装されており動作する可能性がある API や技術を示すために使用されます。最近では、 browser-compat-data プロジェクトの中で使用される定義を、「その機能はもう推奨されません。将来は削除されるか、互換性のためだけに温存される可能性があります。この機能を使用することは避けてください。」と更新しました。
廃止 (Obsolete)
MDN において廃止 の用語は、もう推奨されないだけでなく、ブラウザーでももう実装されていない API や技術を示すために使用されます。しかし、これは混乱しやすもののです。 — 非推奨に似ており、区別することがさほど役立たない (こちらも本番サイトでは使用するべきではない) ものです。従って、私たちはこれを使用するのをやめ、使用されている記述を削除するか、非推奨に置き換えるかしてください。

実験的

実験的 (Experimental) は、聞いた場所や読んだ場所の文脈によって意味が異なる可能性があります。 MDN においてある技術が実験的と記述されている場合、その技術は生まれたばかりで未熟であり、現在ウェブプラットフォームへの追加手続の途中の (または追加が検討されている) 段階であることを意味します。

次の一方または両方が成り立つ場合です。

これらの定義のうちの一方または両方が成り立つ場合、その技術を様々な種類の製品プロジェクト (つまり、単なるデモまたは実験ではない場合) に使用する前に慎重に考えなければなりません。実験的の定義については、 browser-compat-data プロジェクトも参照してください。

逆に、以下のような場合は実験的とは言いません。

ここではまたはが重要です。 — 通常、ある技術に複数の主要なブラウザーが対応した場合、仕様は安定するでしょうが、これは常に言えるわけではありません。また、技術によっては安定した仕様書がありよく使用されてはいるものの、ブラウザーでのネイティブな対応がない場合もあります (IMSC などがその例)。

アーカイブページ

アーカイブページは、 MDN の古いコンテンツのアーカイブに保存されているページです。これらのページには古くなった情報が含まれているため、他の人にとっては直接役に立ちません。

最も一般的なのは、これらは廃止されてもはや信頼されるべきではない Mozilla プロジェクトに関係します。しかし、それらは有用な歴史的記録を形成するのでそれらを単純に削除するのではなく、その中に含まれるパターンやアイデアのいくつかは将来の作業に役立つかもしれません。 良い例は B2G (Firefox OS) プロジェクトです。

どのような時にページをアーカイブするか?

ページをアーカイブするべきである場合は、ページが上記の説明に合う場合です。ページをアーカイブするには、[ページ移動]機能 ([詳細] - [この記事を移動]) を使用して、ページを[アーカイブ]ページツリー (/ja/docs/Archive) に移動します。この機能を使用する権限がない可能性があります。ページのアーカイブを開始する前に、まず MDN コミュニティと話し合う必要があります - ディスカッションフォーラムで私たちに相談してください。

削除されたページ

削除されたページは、 MDN から明示的に削除されたページです - 例えば SharedKeyframeList インターフェイスと SharedKeyframeList() コンストラクターを見てください。 これらのページには、もはや有用ではない情報が含まれています。また、利用可能にしておくと混乱したり、知っていたりすることが不適切な場合もあります。

次のようなものが該当する可能性があります。

どのような時にページを削除するか

上記の説明に合う場合はページを削除する必要があります。ページを削除するには、[このページを削除] 機能 ([詳細設定] > [このページを削除]) を使用してページを削除します。あなたはおそらくこの機能を使う権限を持っていないでしょう、そしてページを削除することを考えるときあなたは最初にそれを MDN コミュニティと議論するべきです - ディスカッションフォーラムで私たちに相談してください。

新しい技術を記述するとき

MDN では、新しいウェブ標準技術を適切に文書化することを常に検討しています。私達は、開発者が必要なときにすぐに新機能について学ぶことができるように文書を十分に早く公開することと、定期的に更新したり迅速に削除したりする必要がないように技術が成熟し安定したものになるように十分に遅く公開することのバランスをとるようにしています。

一般的に、新しい技術を文書化することを検討する最も早い定義は、次のとおりです。

「この機能が標準化過程にあり、どこかで実装されている場合」

新しい技術を文書化することを絶対的に考えるべきであるのは以下のような場合です。

次のような場合は、新しいテクノロジを文書化することにもっと慎重になるべきです (ただし、意味がある場合はそれを考慮する必要があります)。

次のような場合は、その新しい技術を文書化しようと考えないでください。

慣習

何かが仕様書から削除されたとき

新しい仕様の開発中や、 HTML のようなリビングスタンダードの進化の過程で、新しい要素、メソッド、プロパティなどが仕様書に追加され、しばらく存在してから削除されることが時々あります。これはとても速い周期で行われることもあれば、新しい項目が仕様書に数か月から数年の間、削除されずに残っていることもあります。これによって、仕様書から項目が削除されたと判断することが難しくなっています。どうするべきかを決める参考となるガイドラインをいくつか紹介します。

ここでは「項目」という単語を、仕様書の一部になりうるものすべてを示す意味で使用しています。要素や要素の属性、インターフェイスや個々のメソッド、プロパティ、またはインターフェイスの他のメンバーなどがこれに該当します。

Please use common sense with wording of warning messages and other changes to text suggested by the guidelines above. Different items will require different wording and handling of the situation. When in doubt, feel free to ask for advice on the MDN Web Docs chat room on Matrix, or on the MDN Web Docs discussion forum.

MDN 内でのコンテンツのコピー

ときどき、複数のページで同じテキストを再利用する必要が生じる場合 (または、あるページを別のページのテンプレートとして利用したい場合) があります。その場合、3つの選択肢があります。

他の場所からの内容のコピー

多くの場合、MDN 以外にも Web 上のどこかにトピックに関する有用なコンテンツがあります。しかし、そのようなコンテンツをコピーすることは、法的にも技術的にも困難を伴うことがあります。

技術的なレベルでは、検索エンジンは通常他の場所で利用可能なコンテンツを再生するために彼らのランキングでサイトにペナルティを課します。したがって、MDN のコンテンツの検索エンジンのランキングを向上させるために、MDN にオリジナルのコンテンツを含めることが好ましいです。MDN から既存のコンテンツにリンクできます。

法的なレベルでは、あなたはコンテンツを寄付する権限を与えられなければならず、そしてそれは MDN のライセンスと互換性のある方法でライセンスされそして帰属しなければなりません。

仕様書が競合したときの調整方法

なお、時々 (まれに) 仕様書の異なるバージョン (特に W3C と WHATWG) が競合することがあり、例えば一方のバージョンがある機能を非推奨とする一方で、もう一方が非推奨にしない場合などがあります。このような場合、何が真実なのか — 例えば、ブラウザーは実際にどうしているか — を考慮し、「重要」なメモを書いて最新の状態を要約してください。例えば、2019年1月時点の inputmode グローバル属性には競合があり、次のように要約されています。

仕様の競合: WHATWG の仕様書では inputmode を記述しており、最近のブラウザーでは対応の方向に向かっています。しかし、 W3C HTML 5.2 spec は仕様に含めるのをやめています (すなわち廃止扱いにしています)。合意に至るまでは、 WHATWG の定義が正しいとみなすべきでしょう。