--- title: runtime.onMessage slug: Mozilla/Add-ons/WebExtensions/API/runtime/onMessage tags: - API - Add-ons - Event - Extensions - Non-standard - Reference - WebExtensions - onmessage - runtime translation_of: Mozilla/Add-ons/WebExtensions/API/runtime/onMessage ---
{{AddonSidebar()}}
このイベントを使って、拡張機能の別の部品からのメッセージを受け取ることができます。例えば、次のような場面で使います。

onMessage リスナーに受信させるメッセージを送るには、{{WebExtAPIRef("runtime.sendMessage()")}}、または (コンテンツスクリプトにメッセージを送るときは) {{WebExtAPIRef("tabs.sendMessage()")}} を使います。

同じ種類のメッセージに対する onMessage リスナーを複数作ることは避けてください。複数のリスナーが実行される順番は保証されていないからです。特定のリスナーへのメッセージ伝送を保証したいときは、コネクションベースのメッセージ を使ってください。

メッセージ本体の他に、リスナーは次のものを受け取ります。

メッセージに対して同期的に返信するには、sendResponse 関数をリスナーの中で実行します。例を参照してください

非同期的に返信するには、二つの方法があります。

Promise を返すほうがより望ましい方法です。sendResponse は W3C 仕様から削除される予定です。 人気のある webextension-polyfill ライブラリーは、すでに sendResponse 関数を実装から削除しました。

また、コネクションベースのメッセージを使うこともできます。

構文

browser.runtime.onMessage.addListener(listener)
browser.runtime.onMessage.removeListener(listener)
browser.runtime.onMessage.hasListener(listener)

イベントには 3 つの関数があります。

addListener(callback)
リスナーをこのイベントに追加する。
removeListener(listener)
このイベントの受け取りを中止する。listener 引数は削除するリスナーです。
hasListener(listener)
listener がこのイベントに登録されているかどうかを確認する。登録されている場合は true を、そうでない場合は false を返す。

addListener の構文

引数

function

このイベントが発生したときに実行されるリスナー関数。関数には次の引数が渡される。

message
object 型。メッセージ本体。これは JSON 化できるオブジェクトです。
sender
{{WebExtAPIRef('runtime.MessageSender')}} オブジェクト。メッセージの送信側を表します。
sendResponse

メッセージに対する返信を送るために、最大で一回実行できる関数。この関数は引数を一つ受け取り、それは JSON 化できるオブジェクトのはずです。その引数はメッセージ送信側に返送されます。

同じドキュメント中に onMessage リスナーが一つ以上ある場合、返信を返すことができるのは一つだけです。

同期的に返信するには、リスナー関数が復帰する前に sendResponse を実行します。非同期的に返信するには、次のどちらかを実行します。

  • sendResponse に対する参照を保持したままリスナー関数から true を返す。そうすると、リスナー関数から復帰した後でも sendResponse を実行できます。
  • リスナー関数から Promise を返して、返信の準備ができたときにその Promise を解決する。こちらがより好ましい方法です。

リスナー関数は、Boolean か Promise のいずれかを返します。

addListener を次のような async 関数を使って実行しないでください。

browser.runtime.onMessage.addListener(async (data, sender) => {
  if (data.type === 'handle_me') return 'done';
});

このようなリスナーは全ての受け取ったメッセージを消費するため、実際には他のリスナーがメッセージを受信したり処理することを妨げてしまいます。

非同期的な実装を使いたい場合は、次のように Promise を使ってください。

browser.runtime.onMessage.addListener((data, sender) => {
  if (data.type === 'handle_me') return Promise.resolve('done');
});

ブラウザー実装状況

{{Compat("webextensions.api.runtime.onMessage")}}

使用例

単純な使用例

次のコンテンツスクリプトは、ウェブページ上のクリックイベントを待ち受けます。リンクがクリックされた場合、対象の URL をバックグラウンドページにメッセージ送信します。

// content-script.js

window.addEventListener("click", notifyExtension);

function notifyExtension(e) {
  if (e.target.tagName != "A") {
    return;
  }
  browser.runtime.sendMessage({"url": e.target.href});
}

バックグラウンドスクリプトはこのメッセージが送信されるまで待ち、notifications API を使って通知を表示します。

// background-script.js

browser.runtime.onMessage.addListener(notify);

function notify(message) {
  browser.notifications.create({
    "type": "basic",
    "iconUrl": browser.extension.getURL("link.png"),
    "title": "リンクをクリックしました!",
    "message": message.url
  });
}

同期的に返信する

次のコンテンツスクリプトは、ユーザーがページ上をクリックしたとき、バックグラウンドスクリプトにメッセージを送信します。また、バックグラウンドスクリプトから送信された応答があればログ出力します。

// content-script.js

function handleResponse(message) {
  console.log(`バックグラウンドスクリプトが応答しました: ${message.response}`);
}

function handleError(error) {
  console.log(`Error: ${error}`);
}

function sendMessage(e) {
  var sending = browser.runtime.sendMessage({content: "コンテンツスクリプトからのメッセージです"});
  sending.then(handleResponse, handleError);
}

window.addEventListener("click", sendMessage);

これが対応するバックグラウンドスクリプトで、リスナー内部から同期的に応答を返します。

// background-script.js

function handleMessage(request, sender, sendResponse) {
  console.log(`コンテンツスクリプトがメッセージを送信しました: ${request.content}`);
  sendResponse({response: "バックグラウンドスクリプトからの応答です"});
}

browser.runtime.onMessage.addListener(handleMessage);

これは同期的に応答を返す別の方法で、Promise.resolve() を使うものです。

// background-script.js

function handleMessage(request, sender, sendResponse) {
  console.log(`コンテンツスクリプトがメッセージを送信しました: ${request.content}`);
  return Promise.resolve({response: "バックグラウンドスクリプトからの応答です"});
}

browser.runtime.onMessage.addListener(handleMessage);

非同期的な返信を sendResponse により行う

次は直前の例のバックグラウンドスクリプトの別バージョンです。これは、リスナーが復帰した後、非同期的に返信を送ります。リスナーの中の return true; に注目してください。このようにすることで、リスナーが復帰した後に sendResponse 引数を使う意図があることをブラウザーに伝えています。

// background-script.js

function handleMessage(request, sender, sendResponse) {
  console.log(`コンテンツスクリプトがメッセージを送信しました: ${request.content}`);
  setTimeout(() => {
    sendResponse({response: "非同期的なバックグラウンドスクリプトからの応答です"});
  }, 1000);
  return true;
}

browser.runtime.onMessage.addListener(handleMessage);

非同期的な返信を Promise により行う

次のコンテンツスクリプトは、まずページ上の <a> リンクを取得し、そしてそのリンクの場所がブックマークされているかどうかを尋ねるメッセージを送信します。このスクリプトは、その場所がブックマークされている場合は true を、そうでない場合は false というような、Boolean 型の応答が返ってくることを想定しています。

// content-script.js

const firstLink = document.querySelector("a");

function handleResponse(isBookmarked) {
  if (isBookmarked) {
    firstLink.classList.add("bookmarked");
  }
}

browser.runtime.sendMessage({
  url: firstLink.href
}).then(handleResponse);

これが対応するバックグラウンドスクリプトです。{{WebExtAPIRef("bookmarks.search()")}} を使うことで、リンクがブックマークされているかを確認する Promise を返します。

// background-script.js

function isBookmarked(message, sender, response) {
  return browser.bookmarks.search({
    url: message.url
  }).then(function(results) {
    return results.length > 0;
  });
}

browser.runtime.onMessage.addListener(isBookmarked);

非同期的なハンドラーが Promise を返さない場合、明示的に Promise を作ることができます。これは少し不自然な例ですが、Window.setTimeout() を使って 1 秒の遅延を発生させた後に応答を返します。

// background-script.js

function handleMessage(request, sender, sendResponse) {
  return new Promise(resolve => {
    setTimeout(() => {
      resolve({response: "非同期的なバックグラウンドスクリプトからの応答です"});
    }, 1000);
  });
}

browser.runtime.onMessage.addListener(handleMessage);

{{WebExtExamples}}

謝辞

この API は Chromium の chrome.runtime API. このドキュメントは runtime.json における Chromium のコードに基づいています。

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