---
title: Firefox 29 for developers
slug: Mozilla/Firefox/Releases/29
tags:
- Firefox
- firefox developers
- firefox29
translation_of: Mozilla/Firefox/Releases/29
---
Gecko 29 を搭載した Firefox 29 は、米国時間 2014 年 4 月 29 日にリリースされました。このページでは、開発者に影響する Firefox 29 の変更点をまとめています。
Web 開発者向けの変更点一覧
主な変更点:
- Web コンソールを大きく改善しました。Array の内容はクリックして調査ツールを起動しなくてもインラインで表示する、window オブジェクトで自身の URL を表示するなどです。
- Web Worker に console API を追加しました ({{bug(620935)}})。Web Worker から Web コンソールへのログ出力が可能になりました。
- ネットワークモニタが、円グラフを使用してパフォーマンス統計を表示するようになりました ({{bug(846601)}})。
- インスペクタで、CSS transform のプレビューツールチップが使用可能になりました ({{bug(726427)}})。
- デバッガやコンソールでみられる DOM 要素は、変数リストの右側に新設したボタンを使用して直接削除または調査することが可能になりました。
- CSS ソースマップをスタイルエディタでサポートしました ({{bug(926014)}})。
- CSS プロパティおよび値のオートコンプリート機能をスタイルエディタに追加しました ({{bug(717369)}})。
詳細および他の小規模な変更点については Mozilla Hacks ブログの記事をご覧ください。
CSS
- CSS variables を実装しました ({{bug("773296")}})。この件に関する Mozilla Hacks の記事はこちらです。これは Release ビルド以外でのみデフォルトで有効です (Release ビルドで使用したい場合は設定項目
layout.css.variables.enabled
を true
に変更してください)。
- Flexbox で {{cssxref("visibility")}}
: collapse
をサポートしました ({{bug(783470)}})。
- {{cssxref("box-sizing")}} プロパティの接頭辞を外しました ({{bug(243412)}})。
- 何かがアニメーションするであろうというヒントを与える、{{cssxref("will-change")}} プロパティを追加しました。有効化するには設定項目
layout.css.will-change.enabled
を true
に変更しなければなりません。({{bug(940842)}})
3e1
や 10e+0
といった指数表記を {{cssxref("<number>")}} 値でサポートしました ({{bug(964529)}})。
- {{cssxref("<gradient>")}} タイプの画像を {{cssxref("border-image")}} でサポートしました ({{bug(709587)}})。
- {{cssxref("touch-action")}} プロパティを実装しました。デフォルトでは無効であり、設定項目
layout.css.touch_action.enabled
で制御します。({{bug(795567)}})
- <pre> 要素用の冗長なデフォルトスタイルを quirk.css から削除しました ({{bug(948914)}})。
- CSS Variables のフォールバックを正しく実装しました (基本的な循環参照) ({{bug(950497)}})。
- 宣言の優先度の後にトークンがある @supports の条件が、false に評価されるようになりました ({{bug(909170)}})。
HTML
<input type=color>
および <input type=number>
がデフォルトで有効になりました。
- 非標準である
<pre cols>
のサポート、および <pre wrap>
のレイアウト効果を廃止しました。これらの効果は CSS で実現可能であり、また実現すべきです。({{bug("949879")}})
JavaScript
- ECMAScript 6 の String の新たなメソッドである {{jsxref("String.prototype.codePointAt()")}} および {{jsxref("String.prototype.fromCodePoint()")}} を実装しました ({{bug("918879")}})。
- ECMAScript Internationalization API (ECMA-402) を実装しました。また、デスクトップ版 Firefox ではデフォルトで有効にしました ({{bug("853301")}}):
- {{jsxref("Intl")}} オブジェクトネームスペースの新たなオブジェクト:
- {{jsxref("Collator", "Intl.Collator")}}
- {{jsxref("DateTimeFormat", "Intl.DateTimeFormat")}}
- {{jsxref("NumberFormat", "Intl.NumberFormat")}}
- 以下の {{jsxref("String")}}、{{jsxref("Number")}}、{{jsxref("Date")}} のメソッドを、ECMA-402 により引数
locales
および options
を持つように更新しました:
- {{jsxref("String.prototype.localeCompare()")}}
- {{jsxref("Number.prototype.toLocaleString()")}}
- {{jsxref("Date.prototype.toLocaleString()")}}
- {{jsxref("Date.prototype.toLocaleDateString()")}}
- {{jsxref("Date.prototype.toLocaleTimeString()")}}
- 更新された ECMAScript6 仕様草案に準拠するため、{{jsxref("Map")}} オブジェクトおよび {{jsxref("Set")}} オブジェクトがキーと値の同一性を確認するときは、
-0
と +0
を同一として扱うようになりました。
Promise
をデフォルトで有効にしました ({{bug(918806)}})。
- 完了した Generator は例外を発生させるのではなく {{jsxref("IteratorResult")}} を返すようになりました ({{bug(958951)}})。
インターフェイス/API/DOM
- 新たな種類の Worker である {{domxref("SharedWorker")}} をデフォルトで有効にしました ({{bug(924089)}})。
- {{domxref("URLUtils")}} インターフェイスが、{{domxref("URLSearchParams")}} オブジェクトを返す {{domxref("URLUtils.searchParams", "searchParams")}} プロパティをサポートしました。URL の検索パラメータを変更できます ({{bug(887836)}})。{{domxref("URLSearchParams")}} コンストラクタにより、文字列のパースや検索が容易になります。
- {{domxref("Worker.onLine")}} プロパティをサポートしました。Worker のオンライン/オフライン状況を知ることができます ({{bug(925437)}})。
- Web Components の実装の一環として、{{domxref("HTMLShadowElement")}} インターフェイスを設定項目
dom.webcomponents.enabled
のもとに実装しました。使用したい場合は値を true
に変更してください。({{bug(887538)}})
- 読み取り専用の {{domxref("HTMLIFrameElement.sandbox")}} プロパティの型は {{domxref("string")}} ではなく {{domxref("HTMLSettableToken")}} になりました ({{bug(845057)}})。
- {{domxref("HTMLCanvasElement.getContext()")}} で、値
moz-webgl
のサポートを廃止しました。標準化された値 webgl
を使用してください ({{bug(913597)}})。
- {{domxref("ImageData")}} のコンストラクタを追加しました。このインターフェイスは {{domxref("Worker")}} で使用できます。({{bug(959958)}})
- {{domxref("NavigatorLocation.origin", "location.origin")}} が Worker で使用可能になりました ({{bug(964148)}})。
- {{domxref("ValidityState.badInput")}} プロパティを実装しました ({{bug(827161)}})。
- 非推奨である {{domxref("Window.pkcs11")}} プロパティを削除しました。これは Firefox 3.0.14 から
null
を返していました。({{bug(964964)}})
- {{domxref("Node.cloneNode()")}} メソッドおよび {{domxref("Document.importNode()")}} メソッドは論理値の引数
deep
をとります。これまでの引数を省略すると、メソッドは deep
が true
である場合の動作になりました。しかし最新の仕様により動作が変更され、省略した場合は値が false
であるように動作します。({{bug(937461)}})
- {{domxref("Window._content")}} は Web content で使用できなくなりました ({{bug(946564)}})。
- {{domxref("URLUtils.port")}} の動作を若干変更しました。
''
を与えるとプロトコルに関連付けられたデフォルトのポートが設定されます。また 0
を与えると 0
が設定されます。({{bug(930450)}})
- {{domxref("Document.referrer")}} は incumbent script に基づくようになりました ({{bug(887928)}})。
- Gamepad API をデフォルトで有効にしました ({{bug(878828)}})。
MathML
変更なし。
SVG
変更なし。
セキュリティ
- CSP 1.1 の試験的なディレクティブ
hash-source
を実装しました。この機能を有効にするには、設定項目 security.csp.experimentalEnabled
を true
に設定してください ({{bug(883975)}})。
アドオン開発者と Mozilla 開発者向けの変更点
- Australis and add-on compatibility - Firefox のユーザインターフェイスに関与する拡張機能のほとんどに影響する、Firefox テーマの主要な変更点です。
nsISecurityCheckedComponent
を削除しました ({{bug(794943)}})。利用者のほとんどは、インターフェイスの定義から nsISecurityCheckedComponent を単純に削除してかまいません。これで動作し続けるでしょう。
Australis 以外の変更点は未定です。
関連情報
過去のバージョン
{{Firefox_for_developers('28')}}