--- title: calc() slug: Web/CSS/calc() tags: - CSS - CSS 関数 - 計算 - 演算 - 関数 - レイアウト - リファレンス - ウェブ - calc browser-compat: css.types.calc translation_of: Web/CSS/calc() --- {{CSSRef}} CSS`calc()` 関数は、 CSS のプロパティ値を指定する際に計算を行うことができるものです。 {{cssxref("<length>")}}、{{cssxref("<frequency>")}}、{{cssxref("<angle>")}}、{{cssxref("<time>")}}、{{cssxref("<percentage>")}}、{{cssxref("<number>")}}、{{cssxref("<integer>")}} が利用できる場所ならば使用できます。

{{EmbedInteractiveExample("pages/css/function-calc.html")}} ## 構文 ```css /* プロパティ: calc(式) */ width: calc(100% - 80px); ``` `calc()` 関数は1つの式を引数として取り、式の結果が値として使用されます。式は以下の演算子を組み合わせたもので、標準的な[演算子の優先順位の規則](/ja/docs/Learn/JavaScript/First_steps/Math#operator_precedence")を使用します。 - `+` - : 加算です。 - `-` - : 減算です。 - `*` - : 乗算です。引数の少なくとも 1 つは {{cssxref("<number>")}} でなければなりません。 - `/` - : 除算です。右側は {{cssxref("<number>")}} でなければなりません。 式のオペランドは任意の {{cssxref("<length>")}} 構文の値にすることができます。式の中のそれぞれの値に異なる単位を使用することもできます。必要に応じて、計算の順番を設定するために括弧を使用することもできます。 ### メモ - `+` 演算子と `-` 演算子は**前後に{{Glossary("whitespace", "ホワイトスペース")}}を置く必要があります**。たとえば、 `calc(50% -8px)` と記述した場合、パーセント表記と負の長さが連続しているものとみなされ、無効な式となるからです。 `calc(50% - 8px)` はパーセント表記、減算記号、長さの順に並んでいるものと解釈されます。また、 `calc(8px + -50%)` は長さ、加算記号、負のパーセント表記の順に並んでいるものと解釈されます。 - `*` 演算子と `/` 演算子には前後のホワイトスペースは必要ありませんが、こちらにもホワイトスペースを用いて記述ルールに一貫性を持たせておくことは認められており、推奨されています。 - ゼロで除算を行うと、 HTML パーサーで生成されるエラーになります。 - 自動レイアウトおよび固定レイアウトのテーブルで列・列グループ・行・行グループ・セルの幅や高さに対してパーセンテージを含む数式を指定すると、 `auto` が指定されたものとして扱います。 - `calc()` 関数は入れ子にすることができ、内側のものは単なる括弧として扱われます。 ### 形式文法 {{csssyntax}} ## アクセシビリティの考慮 `calc()` を使用してテキストの大きさを制御する場合は、一方の値が[相対的な長さの単位](/ja/docs/Web/CSS/length#relative_length_units)になることを確認してください。 ```css h1 { font-size: calc(1.5rem + 3vw); } ``` これによって、ページが拡大縮小されたときにテキストの大きさが変化します。 - [MDN WCAG のを理解する 1.4 の解説](/ja/docs/Web/Accessibility/Understanding_WCAG/Perceivable#guideline_1.4_make_it_easier_for_users_to_see_and_hear_content_including_separating_foreground_from_background) - [Understanding Success Criterion 1.4.4 | W3C Understanding WCAG 2.0](https://www.w3.org/TR/UNDERSTANDING-WCAG20/visual-audio-contrast-scale.html) ## 整数での使用 **`calc()`** は {{cssxref("<integer>")}} が求められる場面で使用することができ、その値は次のように、最も近い整数に丸められます。 ```css .modal { z-index: calc(3 / 2); } ``` これによって最終的に `.modal` は `z-index` の値は 2 になります。 **Note:** Chrome ブラウザーでは現在のところ、整数が求められる場面で **`calc()`** から返される一部の値を受け付けません。例えば割り算は、結果が整数になる場合でも受け付けません。すなわち、 `z-index: calc(4 / 2);` は受け付けられません。 ## 例

余白をつけてオブジェクトを画面に配置する

`calc()` でマージン設定を持つボックス配置がしやすくなります。この例では CSS でウィンドウを横切るように広がるバナーを作ります。バナーの両側とウィンドウの縁は 40 ピクセル空けます。 ```css .banner { position: absolute; left: 40px; width: calc(100% - 80px); border: solid black 1px; box-shadow: 1px 2px; background-color: yellow; padding: 6px; text-align: center; box-sizing: border-box; } ``` ```html ``` {{EmbedLiveSample('Positioning_an_object_on_screen_with_a_margin', 'auto', '60')}}

フォームフィールドの大きさを自動的に隅に合うように調整

`calc()` はフォーム要素のサイズ変更にも利用できます。適切なマージンを維持しながら、コンテナの縁を突き破らないように、利用できるスペースいっぱいに広げます。 いくらかの CSS を見てみましょう。 ```css input { padding: 2px; display: block; width: calc(100% - 1em); } #formbox { width: calc(100% / 6); border: 1px solid black; padding: 4px; } ``` ここで、フォームはウィンドウの取り得る幅の 1/6 を使うように指定しています。それから、入力項目が必ず妥当なサイズを持つように再度 `calc()` を使い、コンテナーの幅 - 1em の幅になるように指定します。次の HTML でこの CSS を使います。

```html
``` {{EmbedLiveSample('Automatically_sizing_form_fields_to_fit_their_container', '700', '80')}} ### 入れ子の `calc()` と CSS 変数 `calc()` で [CSS 変数](/ja/docs/Web/CSS/CSS_Variables) を使用することもできます。以下のコードを見てみてください。

```css .foo { --widthA: 100px; --widthB: calc(var(--widthA) / 2); --widthC: calc(var(--widthB) / 2); width: var(--widthC); } ``` すべての変数が展開された後、 `widthC` の値は `calc( calc( 100px / 2) / 2)` になります。この値が .foo の width プロパティに割り当てられたとき、内部にあるすべての `calc()` は (入れ子の深さにかかわらず) 単なる括弧になり、`width` プロパティの値は最終的に `calc( ( 100px / 2) / 2)`、すなわち `25px` になります。要するに、`calc()` の内部にある `calc()` は単なる括弧と同等です。 ## 仕様書 {{Specifications}} ## ブラウザーの互換性 {{Compat}} ## 関連情報 - [Firefox 4: CSS3 calc() ✩ Mozilla Hacks – the Web developer blog](https://hacks.mozilla.org/2010/06/css3-calc/)